京都アメリカ大学コンソーシアムの米国大学生3名と教員らが、11月27日(水)、フィールドワークの一環でJR鶴橋駅から約800軒の店舗が連なる国際市場を経て大阪・生野コリアタウンなどを訪問した。その後、クロスベイス事務所でマイノリティの権利や多文化共生のまちづくりについて意見交換を行った。
同コンソーシアムは、米国のアイビーリーグの大学をはじめ13の名門大学が加盟・運営し、留学拠点は同志社大学にある。この日参加したコーネル大学など米国の大学生3名は、さまざまな文化的背景を持ち、日本語も堪能。この日、クロスベイスの宋悟・代表理事がフィールドワークを通じて、在日コリアンの歴史と現状、生野区の抱える社会問題とまちの可能性について解説した。
ディスカションでは米国の大学生から事前に準備していた質問が活発に出された。3人の大学生は日系二世の学生、インドのカーストの最上級に位置する父とユダヤ人の母を持つ学生、父が黒人のブラジル出身の学生。米国でもマイノリティとしての葛藤を日々経験してきた若者たちだ。宋代表は、在日コリアンが抱えてきた悩みや現状、不寛容な日本社会の課題を素直に語る一方で、生野区が多文化共生のまちとして発展する潜在的な可能性をもつ地域であることを強調した。米国の大学生たちにとって、海外から見える<Cool Japan>だけではない日本社会のリアルな現実を学ぶ貴重な経験となったようだ。
来年3月のクロスベイス体験活動DO/COでは、同コンソーシアムの米国大学生たちと生野の子どもたちとの2回目の出会いと交流プログラムが予定されている。米国の「名門」大学の学生たちと、生野の「やんちゃ」で、「しんどい」「多文化」家庭の子どもたちとの「クロス」。双方が、なにを感じるのか、思うのか。これもまた、ひとつの「多文化共生」の機会だ。