生野コリアタウンまつり2017が10月29日(日)に開催され、イベント企画のひとつとして「アートで遊ぼう!多文化オリニマダン(こども広場)」(主催:NPO法人クロスベイス)が行われました。この日は台風が直撃する悪天候のなか、多文化オリニマダンは会場を御幸森小学校の体育館に移して行われました。
あいにくの荒天にも関わらず、会場には80名を超える子どもたちと、保護者やボランティアスタッフなどあわせて110名ほどが参加しました。この企画は「平和をカタチに」をテーマに行われました。日本、朝鮮半島、そして世界各地において「戦争」「断絶」「格差」などの言説があふれるなかで、次代を担う世代が、国籍や民族、世代などのちがいにかかわらず、「ともに生きていく」価値観の大切さを体感してほしいとの願いを込めて企画されました。
会場には日本をはじめコリア、タイ、フィリピンなど多様な文化的ルーツをもつ子どもたちに加えて、英語の通訳には在日スリランカ人、そして折り鶴の講師はオランダ人と文字通り多様な文化的背景を持った人々が集まりました。
ワークショップの1部では、K‐POPカバーダンスフェスティバルの世界大会で優勝経験のある実力派ダンスユニット「Qieen」の二人が講師を担いました。ふだん彼女たちが講師を務めるダンススタジオは、生野コリアタウンのすぐそばにあります。キレキレのダンスパーフォーマンスを披露したあと、講師の丁寧な指導のもと軽快なK-POPに合わせて参加者全員で楽しく体を動かしました。
第2部では、「平和の折り紙ワークショップ」と題して、折り紙アーティストのマナ・オリさんを講師に招き、平和の象徴である折り鶴をつくりました。マナ・オリさんの英語の解説のあと、グループをつくり丁寧に折り鶴を折っていきます。マナさんがグループごとに加わりながら、1時間30分ほどのワークショップでした。ときおり笑顔を見せながらも、真剣に取り組む子どもたちの眼差しが印象的でした。最後は、参加者がつくった折り鶴をつないで連鶴にしました。
会場全体には、館外の台風による雨模様とは対照的に、心地よい優しい空気が流れていました。今回のイベント企画が、子どもたちが自然に多様性を尊重できる感性を身につけていく、ひとつの機会になったように思います。今回の取り組みには、ボランティアスタッフとして地元の市立大池中学校、そしてユネスコスクールの府立北摂つばさ高校、府立泉北高校、府立佐野高校の生徒の皆さんが参加しました。子どもたちに寄り添う姿は、みらいへの希望を感じさせるものでした。心から感謝します。