クロスベイスでは、家庭環境の格差が教育格差につながらないよう、地域の中学生を対象にした学習サポート教室「DO-YA」を運営しています。10月からは体験活動を通して多様な価値観に触れ、人生の可能性を広げることを目的に体験活動「DO/CO」もスタートしました。
学習サポート教室「DO-YA」と体験活動「DO/CO」は、クロスベイス的「生きる力」(1.多様性に出会う力、2.ひととつながる力、3.表現し創造する力)を育むための両輪です。
「生野コリアタウンまつり2017」(10月29日)の企画のひとつとして実施された「アートで遊ぼう!オリニマダン(こども広場)」(参加者:110名)に続いて、第2回体験活動 「DO/CO」~映画「インシディアス」(insidious)を観て~ が11月29日(木)17時30分からクロスベイスの事務所にあるギャラリー「渡来」で開催されました。
今回の企画は、「DO-YA」に参加する中学生の受講生が「ホラー映画が好き」との「つぶやき」をきっかけに試験的に行われました。映画「インシディアス」は米国のホラー映画。進行役はクロスベイス理事の朴基浩さん。朴さんは自分で映画やCMを制作したり、NPOのコンサルティングをしたりと、とにかく多彩で「面白い」人です。最近、あるCMコンペでグランプリも受賞しました。参加者は受講生など少数6名でしたが、ギャラリーという場の雰囲気も手伝ってか、なにやらワクワク感がある取り組みでした。
上映前に朴さんが「映画を観終わったあと、座談会をします。その時に『怖かった』『面白かった』といったワンフレーズの文言はなしね。監督が何を伝えたかったのか、ホラー映画にもメッセージはあるから」と軽く「先制パンチ」。終了後の座談会では、30分ほどそれぞれの感想を話し合いました。受講生の中学生は「ホラー映画は好きでよく観るけれど、アメリカのホラー映画は、日本のものより『家』にまつわるものが多いように思う。何故かな?」と。代表理事の宋悟さんが「へえ、なるほどねえ。考えもしなった。なにかそれぞれの国や地域に根ざす文化や習慣が影響しているのかもしれないね。比較して調べたら面白いかもね」などなど。
参加した中高生の感想文には、こんなことが記されていました。「みんなの感想を聞いていて、そんな考えもあるのかと。ホラー映画の新しい見方や観点について知れて、とてもいい機会になりました」「ホラーにもメッセージが存在する、という朴さんのプロローグを踏まえて、映画の細部に自分なりに注目してみることができた。私が今回感じたメッセージは、『人間はだれでも闇を抱えていて、大人から子供に伝染するものである』ということ。『キーワードは目に見えないものからの支配』」「いままで見たホラー映画とは少しちがった映画だったので、また朴さんに教えてもらいたい」など。あっという間の2時間でした。予想外に好評をはくしたので、これからも続けていくことにしました。次回は来年1月。子どもも大人も誰でも参加できます。こうご期待。