第2回IKUNO・多文化ふらっとセミナー
大阪市生野区×大学×多文化共生 vol.2
10/4「学校跡地をみんなの地域キャンパスへ」を開催
大阪市生野区における多文化共生のまちづくりを目指すNPO法人「IKUNO・多文化ふらっと」が主催するセミナーが、10月4日(日)に在日韓国基督教会館(KCC)で開催されました。新型コロナ禍の影響もあり、対面とオンライン参加で開催されました。会場には定員を上回る52名の多様な背景を持つ人々が参加しました。
「多文化ふらっと」と大阪大学社会ソリューションイニシアティブ(SSI)が、今後3年間生野区での「多文化共生のまちづくりにおける学びのデザイン化拠点の創出」をテーマに協力プロジェクトに取り組むことになりました。セミナーは大阪生野コリアタウンに隣接する御幸森小学校の来年3月末の閉校と跡地活用を視野に入れつつ、両者の協力プロジェクトのキックオフ的な位置づけで開催されました。
「多文化ふらっと」の森本宮仁子・代表理事の主催挨拶の後、地域の御幸森まちづくり協議会の宮崎会長からも、「今後地域としても多文化ふらっとと、しっかりと協力しながら、御幸森の学校跡地問題やまちづくりに取り組んでいきたい」旨の力強い挨拶をいただきました。続いて、宋悟・事務局長から「多文化共生センター」設立をはじめ5つの機能を盛り込んだ御幸森小学校の跡地活用案の提案が行われました。その中で国連の持続可能な開発目標(SDGs)の「誰一人取り残さない」という理念と、ユネスコ憲章にある「人の心の中に平和のとりでをつくる」という理念を活動の原点としたい、との提案もありました。
第2部のセミナーでは、榎井縁・大阪大学教員/「多文化ふらっと」代表理事)をコーディネーターに、パネリストとして堂目卓生・大阪大学SSI長、栗田拓・NPO法人トイボックス代表理事、足立須香・一般社団法人ひとことつむぐ代表理事が登壇しました。1時間30分の討論は、3人のパネリストによる協力プロジェクトと生野のまちづくりに向けた情熱と思いに溢れた内容となりました。「協力プロジェクトで最も重要なことは、このプロセスの中で培われる信頼に基づく人間関係と幅広いネットワークである」「まちづくりが成功する上での大きな要素は、やろうとする人の足を引っ張らないこと」「ユネスコスクールであった御幸森小学校の実践を引き継ぐことが大切。生野区を協力先に選んだ大阪大学SSIは見る目がある(笑)」。会場の参加者たちもパネリストの魅力的な話に引き込まれ、終始心地よい緊張感と高揚感のなかで進行されました。
第3部では、「わたしが思う生野区の魅力、学校跡地に期待すること」をテーマに、生野区に暮らす、また関係する5名の方々によるリレートークが行われました。地元の小学校、中学校に子どもを通わす保護者のママさんたち、地域で生まれ育った大学生、インドネシアから来日して生野区で暮らす大学院生、NPOの代表など多彩な顔ぶれでした。自らの考えや思いを素直に語る内容は日々の生活に根差しており、とても説得力がありました。
最後にセミナーに参加された方の感想の一部を紹介します。
■「非常に興味深く、”ワクワク”するお話の連続でした。3部のリレートークも含め本当に多様な方々との対話、コラボで。跡地活用が魅力的なまちづくりへの大きなきっかけになるのではないか、と期待しています。今日は貴重なお話を聞かせていただく機会をありがとうございました」。
■「課題の”先進”地域から課題の”解決”地域へと力強いメッセージを聞け、感動しました」。
■「過去、現在、未来をしっかりと結びつけながら、地域で生きることの意味を問い直し、町のあり方、生活のあり方を考え、そこに暮らす人を元気づけたいという、メッセージを感じました。人への愛、温かさ、面白さ、エネルギーを感じました。ワクワク、ドキドキがある、こんな町に住みたいなあと人々が集まってくる場所をつくりたいですね。この御幸森の試みが一つのモデルとなって、いろいろな地域の人たちに元気を届けることができるものとなるといいなと思います。”みんなの学校”がたくさんできると日本という国もかわるかもしれません」。
■多文化共生にとても興味があり参加しました。とても素晴らしいお話ばかりで、私自身の学びになりました。私もルーツを持つ人として、子どもたちへこれから伝えていくこと。私自身の活動にも活かしていきたいと思いました。又、参加させていただきます」。