第3回体験活動「DO/CO」(どこ)「鳥取・用瀬(もちがせ)里山文化交流合宿」(主催:NPO法人クロスベイス)が、新年を迎えた1月6日(土)・7日(日)の1泊2日で、実施されました。クロスベイスの体験活動は多様な経験や人との出会いを通じて、自らの人生の可能性を広げていくことを目的に実施されています。
鳥取市用瀬町は、江戸時代から続く「もちがせ流しびな」で有名です。無病息災を祈り、さん俵(わらの円いふた)で作った「流しびな」を、まちの中心部を流れる千代川に流す情緒豊かな民俗行事のことです。今回の合宿は、自然豊かな里山で暮らす地元の小学生や、鳥取環境大学の学生、そして地域の大人の方々との多世代間の交流経験にもなりました。
大阪からの参加者は地元の生野区の小中学生ら12名と引率者としてクロスベイスのスタッフ3名を合わせて15名。コリア、フィリンピンなどの外国にルーツを持つ子どもたちも多く参加しました。複数の学校から参加した子どもたちは出発当初は緊張気味でしたが、現地の用瀬で、ネームづくりやゲームなどプログラムが始まると一気に打ち解けた雰囲気になりました。
地元の高齢者の方が講師となり、「流しびな」を一生懸命作り上げました。楽しい雰囲気の中でも、絵付け、さん俵づくりなどの結構ハードな作業に真剣な顔つきで取り組む子どもたちの姿が印象的でした。夕食は大学生たちが準備した四種類の鍋料理。その後のクロスベイスの交流プログラムは、事前に子どもたちからのヒアリングを参考に、身体を動かすゲームを行いました。絶え間なく歓声や笑い声が弾け、子どもたちの一体感は深まりました。ときおり、子どもたちのなかで「〇〇は韓国人?ダブルなん?」などの会話がごく自然な感じで交わされていました。
全体プログラム終了後も、参加した中学生を中心に子どもたちが、自主的にゲームを始め、その日は夜遅くまで交流を深めました。二日目の午前中は、地元の大人や子どもたちと一緒に、羽根つき、朝鮮コマ回しなどの正月遊びに続いて餅つきを行いました。手慣れた様子で餅をつく参加者の子どもに、地元の大人からは「よっ、棟梁!」などの声も飛びました。午後からは地元の靴職人の方による記念のキーホルダーづくりや用瀬のまち散策、雪合戦を楽しみました。
合宿終了後の子どもたちの感想シートでは、参加者のほぼ全員が、今回の合宿全般についての評価項目で10点満点と9点でした。なにより、もう一度話がしたい人や心に残ったことのなかで、当日の参加者や現地の子どもたちとの交流を挙げる子どもたちが多かったことも印象的でした。クロスベイスでは、今後も子どもたちにとって「安心」「自信」「自由」を大切する居場所をつくることで自分の人生を切り拓いていく力を育む機会を提供していきたいと思います。用瀬の皆さんのご協力と温かい配慮によって、とても充実したプログラムとなりました。あらためて、心から感謝いたします。