大阪市生野区は在日コリアンが集住する街で有名ですが、最近はベトナム人の留学生なども急増しています。今は生野区だけで60か国以上の国籍の人々が暮らす、多国籍・多民族の街に大きく変貌しつつあります。
クロスベイスでは子どもたちに多様な人々との出会いと体験の場を提供する体験活動DO/COを実施しています。第9回目の体験活動は、6月30日(土)に、生野コリアタウン横にある御幸森会館で、「出会って、知ろう ベトナムのこと、日本のこと。」第2弾と題して、ベトナム料理づくりを行いました。講師は、前回の体験活動に引き続き、ベトナム国籍ではじめて大阪の府立高校で数学の教員として教壇に立つリー・タイ・ワーさんと、ベトナムで銀行に勤めていたトラン・グエン・ワン・ヴィンさん。
参加者は子ども18名、大人21名の39名が参加し、大盛況でした。クロスベイスの小学生を対象にした学習サポート教室である宿題DO-YAに参加しているベトナムにルーツのある姉妹をはじめ、別の学校のベトナムの2家族を含め、在日コリアン、日本の子ども、そして保護者、生野区役所で働くインドネシア人の青年や職員、教員、そして大学生ボランティアなど、文字通り多様な文化的背景、職種の人たちが集まりました。
最初に、前回の体験学習の「復習」として、ワーさんとヴィンさんからベトナム語の簡単なあいさつなどを教えてもらいました。ベトナムにルーツを持つ子どもの元気な声が印象的でした。その後、ベトナムでよく食べられる生春巻きを作りました。3グループに分かれた子どもたちは、楽しそうに野菜や豚肉を切ったり、たれを作ったり。そばで見守る保護者、先生、大阪大学、近畿大学の大学生ボランティアにも笑顔が溢れていました。
今回の体験活動を通じて、異国・日本で暮らすベトナム人家族どうしの新しい出会いがありました。また国籍や民族がちがっても、日本の子どもたちと外国にルーツを持つ子どもたちが一緒に料理を作る「場」をもつことで、まちの中で「自然と」仲間どうしになれる経験はとても大切なこと。多国籍・多文化のまち生野区は、未来の子どもたちが生きるグローバルな世界を先取りしているまちです。
(参加した先生によると)普段とても物静かなベトナム人の子どもの感想シートには、次のような言葉が日本語で力強く書かれていました。「ぼくも先生になる」。マイノリティにとって、ロールモデルの重要さを再認識した機会でもありました。