5月25日(土)、第17回体験活動DO/CO『猪飼野子どもプロジェクト 猪飼野せんべい販売!』が大阪生野コリアタウン内で開催されました。一般社団法人ひと・こと・つむぐと共同での主催で、小・中学生とスタッフを合わせて15人が参加しました。
クロスベイスは、今年度の体験活動事業の方針として、活動のタイプを3つに大きく分けそれぞれの目標にしっかりと力点を置いた活動を作ろうとしています。「イベント型」「知識型」、そして「表現・創造型」です。今回の活動は、「表現・創造型」の活動として、今年度最初のプロジェクトです。
猪飼野子どもプロジェクトは、「互いのアイデンティティを尊重し、誰もが自分らしく安心して生活できる町づくり担い手を育成する。このプロジェクトを通して、広く生野の魅力を伝え、従来のイメージや人々の意識の変革をはかる」ため、地域との繋がりを大切にしながら子ども自身が主体的に作り上げていく活動を目指すものです。
今回はそのキックオフ。「猪飼野せんべい」というご当地せんべいを、コリアタウンの中で販売しました。
このせんべいは、御幸森小学校の子どもたちが焼印をデザインし、生野区の老舗せんべい工房の「文楽せんべい」さんに作っていただいた、オリジナルのご当地せんべい。違いのわかる人には、ただのせんべいではないことがすぐにわかる美味しさ。卵の風味がしっかりした上質なせんべいです。
子どもたちは、まずこのせんべいの販売が、どれくらいの利益を生むのか、その計算からレクチャーを受けます。1袋500円で売ると、売り上げはどれくらい?でも、「仕入れ値」があるから、その分を引いた残りが利益・・・。仕入れ値には、せんべい職人さんのお給料・配送料・デザイン料などなどが含まれている・・・。何袋売ったら「黒字」になるか・・・。普段計算や数学が苦手だと嘆いているのに、計算が速い!
また、今回の利益から、ひと・こと・つむぐの実施している子ども食堂と夜店で使えるチケットが、子どもたちに「報酬」として支払われます。
お金のことだけでなく、猪飼野せんべいの成り立ち、込められた思いについてもレクチャーを受け、商品知識もインプット。いざ!販売です。
販売場所は、なんと生野コリアタウンのど真ん中。旧ツツミ呉服店の軒先を、オーナーが「子どものための活動になら」と、ご厚意で快くお貸しいただきました。
今のコリアタウンは、過去に例を見ない盛況ぶり。お客さんがひっきりなしに眼の前を通ります。いつも学習サポート教室で元気に挨拶をしてくれる子どもは、持ち前の声の大きさと物怖じしないガッツで、「美味しいですよ!」「私たちが作ったおせんべいどうですか!」とアピール。向かいのホットック屋さんのおばちゃんと張り合ってます。
中学生は「社長」・「副社長」と呼ばれて、どうすればよりお客さんの目に留まりやすいかを考え、ブースの並べ方や、看板の書き方を考えます。
とはいえ商売はなかなかに厳しいもの。見てくれても通り過ぎてしまう人がほとんど。試食しただけで買わない人ももちろんいます。知らない人に商品を売ることの難しさを実感して、「募金の時はもっと簡単だったのに・・・」と言葉が漏れました。
それでも終わってみれば、10袋以上売れて出だしは上々。近くで商売をしている人も買ってくれて、みんなの頑張りを応援してくれていました。
売り上げを計算し、みんなの報酬分もきっちり利益が出て、さらに少しだけ黒字が出ました。これから、子どもたちが新しいものをデザインしたり、自分たちの作りたいもの・やりたいことに使えるお金として、少しずつ積み立てていきます。
今後は8・9・10月と継続してこのプロジェクトに関連する学びの機会を作るとともに、自分たちで販売の方法や工夫をグレードアップしていきます。また新しく作ってみたいものやデザインについても、集まって考える機会を作ります。
クロスベイスは体験活動事業を通じて、子どもが自分たちの力で活動を作る場づくりをこれからも続けていきます。