学習サポート教室DO-YA講師のリレーコラム
第3回 仲田愛さん(社会人 日本語教師の資格取得)
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クロスベイスの学習サポート教室DO-YAでは、現在15名の大学生や社会人の方に、講師として関わってもらっています。
最も子どもと近いところで日々勉強を一緒に見たり、根気よく話を聞いている講師の皆さんに、クロスベイスは支えられています。
講師からみたクロスベイスやDO-YAの様子を、講師自身が執筆するコラムの形でお届けします。
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ん?不満なときに「やん」使ってる?
仲田愛
子どものころから学校はあまり好きではありません。強制される集団行動には今でも違和感を覚えるし、なるべく1人でぼーーっとしていたい。そんなわけで、もちろん勉強も好きではありませんでした。将来の夢も特にないし、勉強ができなくても困らない。ただ試験のために勉強するだけでした。でも、日本語教師として働くことになって、自分の知識のなさに気付き、30歳を過ぎて初めて勉強したいと思いました。そこで、私はおもむろに『まんが日本の歴史』を読み始めました。わかりやすいし結構おもしろい。気になった人物や出来事は、他の資料を読んで理解を深めました。と、そのつもりでしたが、かなしいかな今思い出そうとしても何も出てこない。まぁそんな感じで勉強しても、入っては消え入っては消えですが、ここ最近は教育学や心理学も勉強しています。
クロスベイスには、2019年の秋に声をかけてもらい、以降DO-YAで日本語を教えています。日本に来て数か月の外国人児童(当時、中1と小3のきょうだい)は、子どもってこんなに子どもっぽかったっけ?! とびっくりするほど素直。合唱部に入った中1の子は、練習した歌やダンスを見せてくれたり、また、宋さんに中古の子ども用自転車をもらった小3の子は、得意げに何度もウィリーして見せてくれたりと、そんな明るい様子にホッとします。言語や文化の違う国での生活や日本の学校制度に馴染めず、つらい思いをする子どもたちも少なくない中で、クロスベイスが安心できる居場所になっているんだなと嬉しく思います。
ときどき、その子たちを家まで送っていくことがあります。お母さんが迎えに来られないときに、心配で一緒に帰っています。道中おしゃべりしながら帰りますが、初めは、日本語が話せる妹を介しての会話でしたが、今では、妹に通訳してもらうことも少なくなくなりました。覚えた日本語を思い出そうと、頭の中で言葉を探して“う~ん、うぅ~~、あっ!”とひらめいたときの笑顔は輝いています。おちゃらけて歩く小学生二人にときどき危ないよと注意しながら、こういう特別じゃない時間も必要だなと感じています。
今は、その小学生二人を担当していて、日本語指導や学校の宿題をみています。この前、私の名前と、学校の担任の先生の名前をハートで囲み、キャッキャしていました。まだまだそんな年頃です。宿題に取り掛かるまでに時間がかかったり、やっと始めても数分であきてしまったりすることもありますが、そのときの様子・状況をみながら進めています。「みてー。これ〇〇(名前)のやん!ちょっとまって。ねむいやん。ないやん。おわりやん!」など生活言語での発話力は上がっています。しかし、学習言語の習得には5年以上かかるといわれています。日本語であれ、母語であれ、大阪弁であれ、考える力を身につけられるよう、支援していきたいです。