新型コロナウィルスの猛威が続く中で緊急事態宣言が延長され、大阪でも学校の休校が5月末まで続きそうです。大阪市生野区で貧困や多文化家庭の子どもたちの学習支援活動をしているクロスベイスでは、この間も感染症対策に気を配りながらしんどい家庭の子どもたちの学習サポート教室を続けています。
マスク着用、アルコール消毒、喚起などの感染症対策の徹底、また子どもたちが密集しないように時間をずらした分散開催をするなど工夫しながら、週1回の直接対面で学習支援活動を行っています。子どもたちも「もう家にいるのは飽きた。ストレスたまる~。外に出るのはクロスベイスにくるときだけ」と。日本語指導を受けている外国ルーツの子どもたちは家の中にいると、覚えかけの日本語も忘れてしまいます。巷で喧伝されるオンライン学習も、厳しい家庭環境や日本語指導が必要な子どもたちには効果的ではありません。それ以前に解決しなければならない課題が多すぎます。
一方で、人情味溢れるまち生野区では地域で暮らしている人々による相互扶助もまだ生きています。スリランカ出身の親は仕事に就くことができません。近くの居場所を提供する一般社団法人が仲介してくださり、そこで週1回のスリランカカレーのテイクアウトが始まりました。先日、事務所を覗くと親子が生き生きと働き、口コミでランチ50食が完売していました。今日は生野区役所の職員が、わざわざ地域の方々の手作りの布製マスクを仕事のついでに子どもたちのために届けてくれました。教室に参加していたフィリピンルーツの子どもたちが、「かわいい!」と言って嬉しそうに、そのマスクをカバンに入れていました。生野コリアタウンの商店主の方から「必要な子どもたちに分けてあげて」と、レトルト食品が提供されました。
困難に直面にしているときこそ、こうした小さな行動や親切が、心に染み入るものです。生野のまち、やっぱりイケてるまちです。これを書いている横でも、クロスベイスのスタッフが、まだ中学校でまともな勉強をしたこともない地元の中学1年生と1対1の対面で5時間もずっと学校の宿題を勉強しています。小さな努力を続けたいと思います。